アデノシン三リン酸って何?

アデノシン三リン酸とは、「Adenosine Triphosphate」を略してATPと呼ばれ、身体の細胞の中に細胞核がある生物が全て持っている物質のこと。

エネルギーの放出と貯蔵物質の代謝や合成の働きを持っています。
エネルギーを持つ物質と考えても良いかと思います。

ATPは身体のいたるところに存在し、ATPのおかげで筋肉の収縮や代謝などの活動を行うことができるのです。

ATPの構造

図を見ていただければわかると思いますが、

「アデニン(生体に存在するプリン塩基のひとつ)」と「リボース(糖の一種)」でできている「アデノシン」にリン酸がくっついたものが「アデノシン●リン酸」です。
   
 
アデノシンにひとつ、リン酸がついていると
アデノシンリン酸 Adenosine Monophosphate(AMP)

ふたつだと
アデノシンリン酸 Adenosine Diphosphate(ADP)

三つ
アデノシンリン酸 Adenosine Triphosphate(ATP)

と呼ばれるようになります。
   
Mono(モノ)、Di(ジ)、Tri(トリ) とは古代ギリシャ語で1、2、3 ということなんですよね。

ギリシャ数字は化学式によく使われているということなので、下記に一覧を載せておきます。

モノ (mono) ジ (di)
トリ (tri) 4 テトラ(tetra)
ペンタ(penta) ヘキサ(hexa)
ヘプタ(hepta) オクタ(octa)
ノナ (nona) 10 デカ (deca)

化学式って、学生の頃に勉強した気がしますが・・・どんだけ前の話よ?
ということですでに忘れてしまっていました。
でもテトラポットとか、ヘキサゴンとか・・・なんだかんだ言って、実はよく耳にする言葉にも使われているのですよね。

ATPの働き

アデノシンがリン酸のふたつ目、三つ目をくっつけたり外したりする時のことを「高エネルギーリン酸結合」と呼んでいます。

この「高エネルギーリン酸結合」が起こるときにエネルギーが発生し、

・生体物質の合成
・物質の能動輸送
・筋肉運動

などの活動に使われます。

食事をすると、アデノシン二リン酸(ADP)は糖や脂肪を分解してエネルギーをつくり、リン酸を結合すると、アデノシン三リン酸(ATP)になり、そのATPでエネルギーが貯蔵されるのです。

逆に、さあ、今から筋トレを・・・と身体を動かそうとした時には、リン酸がひとつ外れ、エネルギーを放出し、筋肉を動かす。という仕組み。

 

 

ただ、ATPからふたつリン酸が外れた「アデノシン一リン酸 Adenosine Monophosphate(AMP)」の状態でエネルギーを使用した場合は、外れるリン酸がないので、原理的には筋細胞が活動することができなくなるということなのです。

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もうひとつのメリット

「エネルギー」そのものが身体の中を移動することはできないのですが、「アデノシン●リン酸」は必要なところに移動することができます。

だから、できたエネルギーを一旦ATPで貯蔵しておいて、エネルギーの必要なところにATPが移動して、エネルギーをピンポイントで供給することができるのです。

またATPは血管拡張作用があり、臓器の血流を増加したり組織の代謝を活発にさせることができるそうです。
そのため、医薬品にも使用されており、むくみや眼精疲労の症状改善、慢性胃炎の症状改善、メニエール病の改善に役立っているとのこと。

ただ、やはりお薬なので副作用などが稀にあるそうなので、ご使用の際はご注意くださいね。

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