え、そんな狭いところの説明ですか?
とお思いかもしれませんが、天然酵母のエキスや元種をつくる際には、温度はとても重要。
というか、発酵食品すべてにとってです。
ちょっと暑い&熱いと、育って欲しいはずの酵母菌が死んでしまって、別の微生物が生き生きとして、「腐敗」になってしまったり、実はとってもデリケート。
ですので、あえて発酵食品の適正温度について、おさらいしてみます。
発酵に最適な温度はそれぞれ
発酵菌の繁殖は低温活動のもの、対して高温で活動するものなど微生物によっても変わるのですが、
▪️人間が好んで食しているものに関わる微生物の多く:20〜30℃
▪️ヨーグルト(乳酸菌)や納豆菌:40℃ぐらい
です。
白ワインの発酵温度は、だいたい15〜23℃程度、赤ワインの場合は少し高く、25〜32度程度が一般的と言われています。
微生物はやはり身体が小さいため、非常に温度に左右されます。
適正温度よりやや高温になると発酵が進み過ぎてしまうし、ちょっとでも温度が低いとうまく発酵してくれず、割とすぐ弱って死んでしまいます。
ただ、日本酒などはより美味しさを求めて、発酵の進みを遅くさせるため、通常20度ぐらいで活動する発酵菌をあえて15℃程度でゆっくり発酵させているそうです。
発酵は温度と時間がきも
そして発酵させる温度と時間によって「おいしさ」も変わってきます。
代表的なものは味噌、ワイン、チーズなど。
すぐに食べるよりも一定期間寝かせることによってコクや旨味・風味が増し、尖った味がまろやかになるのです。
これは時間をおくことによって「熟成(旨味成分のアミノ酸などが増える)」されて、さらに旨味が増していくということ。
活動が活発なら腐敗しない
また、微生物は繁殖して集団をつくり、「その集団の中では他の雑菌が繁殖しにくい」という性質があります。
適正な温度環境の中で発酵菌をたくさん繁殖させてあげれば、そこに後から腐敗菌が入ってきても増殖しにくくなるということ。
ただ、腐敗しているのか、発酵しているのか、見た目ではわからないことも多いのですから、これはもう、つくり手の経験と長年の勘によるものと言っても過言ではないのです。(近頃は分析データも加わっているそうです)
私もビール酵母エキスをつくる際、温度管理にとても苦労していました。
ビール酵母ってぶくぶくしたりシュワシュワしたり・・・というのがあまりなく、見てすぐにわからない。
香りもビールの香りは消えて果実の香りもする気がするけど、ちょっと酸っぱい気もするし・・・
そのため、生きているのか、全て死んでいるのかわからないまま、不安な時間を過ごし・・・
これはいける、と踏んで、元種作成に移すと・・・発酵せずに腐敗。笑
ということが、やはり慣れるまでは多々ありました。
ミニマムな世界なのに奥が深すぎます。。。