突然ですが、みなさんは、音楽はお好きですか?
私は大好きです。
通勤時はもちろん、お仕事しながら音楽を聴いています。
なんだか捗るし、モチベーションもあがるんですよね。
そこで今回は「音楽の健康への効果」についてまとめてみました。
健全な脳を維持・老化を予防する
音楽を聞くことによって古い記憶を喚び起こして記憶力を維持し、メンタルを活性化する効果があることが知られています。
みなさんも一度はあるかと思いますが、たまたあある曲を耳にした途端、それをよく聴いていた時の場面や感情が戻ってくる・・・といったことが、たとえ嫌な思い出であろうと、記憶力にとってはよいということなのですね。
また、脳卒中など脳に損傷がある場合でも、音楽を聴くことで脳の神経を活性化させ、リハビリを助ける効果が知られています。
気分を変化させる力がある
これも誰しも経験があるのではないでしょうか?
音楽によって興奮したり、悲しんだり、幸せを感じたりすることがありますが、これは音楽が脳内物質であるドーパミンの分泌を促すためです。
ドーパミンとは、神経伝達物質のひとつで、脳の神経細胞の興奮の伝達に重要な働きをする副腎髄質から分泌されるホルモンです
快感ややる気、学習能力や記憶力といった部分に大きく影響します。
ある研究ではメジャーでアップテンポの音楽は気分を高揚させ、マイナーでゆっくりしたテンポの曲は悲しい気分になることがわかってきているのだそうです。
脈拍や血圧への影響
これは私も驚きだったのですが、音楽によって心臓を強化し、心疾患の回復を促す効果があることがわかってきています。
お気に入りの音楽を聴くことで血管の健康維持が期待できるのだそう。
アメリカの総合病院で行われた実験では、寝たきりの心臓病患者に音楽を聴きながら30分過ごしてもらうことで、高血圧、脈拍が改善され、痛みが軽減されたそうです。
睡眠の質を改善する
ストレスや不安による睡眠障害に音楽は効果的と言われているのはご存知でしょう。
お気に入りのヒーリングミュージックを聴きながら、眠りについている方も多くいらっしゃると思います。
ヒーリングミュージックは、一定のリズムや歌のない単調な音楽。
だからこそ、効果的とされています。
免疫システムをブースト・痛みを軽減
音楽は副腎皮質から分泌されるホルモンのひとつ「コルチゾール」というホルモンを減少させます。
「コルチゾール」は身体の中の炎症を鎮め、痛みを感じるのを防いでくれる働きがありますが、
免疫力や骨密度を低下させ、心臓病のリスクを高めると言われています。
また、別名ストレスホルモンと呼ばれ、ストレスがかかると「コルチゾール」が増え、イライラしたり、血圧が上がり、動悸が激しくなったり。
そんな状況にいたら体力はどんどん消耗してしまいますよね。
そしてなんと、「コルチゾール」が増加したままだと、記憶力や思考力を低下させてしまう、という研究結果も出ています。
その「コルチゾール」を適量にしておくためにも、音楽を聞いてリラックスするのがいい、というわけなんです。
特にクラシック音楽は、免疫細胞を活性化させ、痛みや不安を和らげる効果が高いと言われています。
音楽で発酵も捗っちゃう?
こうやって音楽と身体の関係を見てみると、音楽と発酵食品ってなんだか効果が似ている・・・音楽と発酵は関係が深いのかも?と思いませんか?
実は20年ほど前から、クラシック音楽を聴かせて焼酎を仕込んだり、味噌を熟成させたりする「音楽仕込み」「音楽熟成」と呼ばれるものが実践されているそうです。
不思議に思いませんか?
微生物は生き物ですが、聴覚を持ちません。
人間のようにメロディを感じているわけではないはずです。
それなのになぜ、音楽が発酵の手助けとなるのか。
それは音が「空気の振動」であることが大きく関係しています。
そもそも「音」とはなにか
ここでは「音や音楽が聞こえる」とはどんな現象なのか、おさらいしてみます。
音は波です。
空気などのの中を伝わります。
物体が振動すると、近くの空気が押されてその部分だけ空気が濃くなり、空気の濃い部分が近くの空気を押し、空気の濃い部分が移っていきます。
これは水面に小石を投げ入れたときに広がって伝わる波の様子に似ています。
空気に薄い部分と濃い部分ができます。
音の波は空気のうすい層と濃い層が交互に伝わり、耳の中の鼓膜が振動し、その振動の信号が脳に伝わり、脳が音として判断します。
空気の振動が波形となって、耳に届き、振動を信号に変えて、人間は音を感じているのです。
音の波は、空気中だけでなく、固体・液体にも伝わります。
聴覚を持たない微生物たちは、空気や液体の振動を感じているのです。
モーツァルトで熟成?
あるワイナリーでは工場と熟成庫でクラッシック音楽を流しているそうです。
音は空気や液体を振動させます。
その振動が、分子レベルで樽の中のワインの成分を混ぜ合わせていきます。
音楽で伝わる振動によって、ワインの成分どうしの結びつきが高まり、まろやかさが増すんです。
音楽熟成で利用されることが多いモーツァルトの楽曲は8000ヘルツの高音を含むと言われています。
(ちなみに人間の胎児が子宮の中で聴いている音の周波数は、この8000ヘルツなのだそう。)
ワインは熟成するとタンニン(渋み成分)が落ち着き、とげとげしさがなくなると言われていますが、音楽熟成にはこれと似たような働きがあるということ。
こうやって改めて調べてみると、音楽の効果ってすごい。
地球上のさまざまな場所で、絶えることなく音楽が生まれ、次の世代へ引き継がれているのは、必然なのかもしれません。