お酢が身体にいいって本当?その効果を解剖しよう

身体に良いイメージがあるお酢。

でも、実際にはどんな効果があるの?、いや、そもそもお酢ってどうやってできてるの?
と、よく分からずに取り入れていませんか?

なんてことを言う私も実はその一人でした。
そういえば昔、お酢を飲むと身体が柔らかくなる、という都市伝説的な話、ありましたよね。笑

そこで、今回はお酢がどれほどの効果を持っているのか、製造方法も含めて見てみたいと思います。

酢って何?

「酢」とは、3〜5%の酢酸を含んだ酸味をつけるための調味料のひとつです。
酢酸以外にも、有機酸類糖類アミノ酸類を含むことで、うまみとほのかな香りを持ち合わせています。
日本には中国から4世紀ごろに伝来したと言われています。

酢は原料やそのつくり方から、大きく、醸造酢(じょうぞうす)と合成酢(ごうせいす)に分けられます。

醸造酢は、糖分またはアルコールを含む原料(穀物や果実など)に酢酸菌を加えて酢酸(さくさん)発酵させたもので、米が原料の米酢(こめず、こめす)、酒粕を原料とした粕酢(かすず)、ブドウが原料のワインビネガーなど、非常にたくさんの種類があります。

合成酢は科学的に合成した酢酸(氷酢酸)に、水や醸造酢、化学調味料を加えてつくる酢のことです。

お酢の中でも、米酢有機酸やアミノ酸が豊富なのだそう。
実は昔からお酢は身体に良いとして、漢方や薬として飲用されていたんですよね。

ただ、毎日飲むとなると、なかなか大変です。

夏限定ですが、疲労感を感じた時、私は夏バテ防止に玄米からつくる黒酢を飲んでいます。
大抵はそのままくいっと飲むのですが(酢酸成分が消化器官を痛めることもあるとのことで、あまりお勧めしません)、炭酸などの割りもので割ったり、はちみつを入れたりヨーグルトに混ぜると、酸味が和らいで取り入れやすいです。

お酢が入ったドリンクを飲んだ後は、うがい、もしくは歯磨きをするようにしましょう。
健康のために飲んでいるお酢ですが、口の中に酢酸が残ったままになると、歯のエナメル質が溶ける「酸食歯(さんしょくし)」のリスクがあります。

酢の効果

疲労回復

疲れたと感じるのは体内がエネルギー不足になっているから。
お酢にはクエン酸アミノ酸が含まれています。
このクエン酸は疲労物質を取り除く際に使われるエネルギーを作り出し、疲労回復のスピードを早める働きがあります。

また、エネルギーの源のひとつ、グリコーゲンは糖が分解されてエネルギーとなりますが、お酢と糖、そして糖質の代謝を促すビタミンB1と一緒に摂ることで、効果的にグリコーゲンを補給することができるのです。

運動の後や忙しかった仕事の後の疲労回復には、お酢を使った食事がおすすめです。
 

血糖値の上昇を抑える

食事を摂ることで急激に上がってしまう血糖値
血糖値が急激に上がると、血糖値を早く下げるためにインスリンが大量に分泌されます。

糖の吸収を穏やかにして、インスリンの分泌を抑え、血糖値の上昇を緩和効果が酢にはあるのです。

大さじ1杯(約15ml)のお酢を使った料理や飲み物をメニューに加えるだけで、血糖値の上昇が緩やかになることが研究結果として出ているので、糖尿病予防におすすめの調味料。

食物繊維や、エネルギー代謝をよくするビタミンB群やポリフェノールと組み合わせると、糖の吸収抑制効果はさらに高まるそうですよ。
 

内臓脂肪や皮下脂肪を減らす(ダイエット効果)

お酢に含まれている酢酸、クエン酸、アミノ酸が内臓脂肪や皮下脂肪を減らす効果があると言われています。

酢酸には脂肪の蓄積を抑える効果があり、クエン酸で体内の脂肪をエネルギーに変えて消費アミノ酸で脂肪の燃焼を促す効果があるのだそう。

運動する30分ほど前にお酢を摂取するのが最も効率が良く、お酢で有名なミツカンの研究でも、大さじ1杯のお酢を混ぜたドリンクを、1日1杯、約3ヶ月摂取した人が、

  • ・内臓脂肪:4.9%
  • ・体重:1.6%
  • ・ウエスト:1.5%
  • ・BMI値:1.5%

も減少したということです。

また、血糖値が上がることで増えるインスリンには、使いきれなかった糖を脂肪に変えて蓄えてしまいます。

結局のところ、食べ過ぎなければいいということなんですが・・・笑
インスリンの分泌を抑え、脂肪を溜め込まないためにも、お酢の摂取は効果的なのです。
 

抗菌作用

古くからお酢には食べ物を痛みにくくする働き(=防腐・静菌効果)があるといわれ、この効果が実際に化学的面からも検証されました。

ミツカンの研究結果によると、お酢の抗菌効果は

  • ・酸度が高いほど強まる。
  • ・食塩と併用すると強まる。
  • ・温度が高いほど強まる。

なのだそうです。

大腸菌やサルモネラ菌、病原性大腸菌O157や腸炎ビブリオ、ブドウ球菌など、人間の身体に害を及ぼす菌に対しても効果が実証されています。

食事で摂り入れる以外にも調理器具の抗菌にも使え、調理器具に熱湯をかけた後、お酢+水+塩を混ぜた液体にその調理器具をつけ、水洗いするそうです。

腸内環境を整える

お酢には先ほど述べた抗菌作用があるので、腸内の悪玉菌の増殖を抑えるなど、腸内環境を整える効果があります。

さらに、酢に含まれているグルコン酸は善玉菌が大好きなごはんとなります。

つまり、酢を摂ることで善玉菌が増え、腸の血流がよくなり、ぜん動運動が活発になるのです。
ぜん動運動が活発になると、腸内環境が改善=便秘が解消されます。

腸内環境が健康になると、活性酸素の発生を抑制するようになり、疲れにくくストレスに強い身体にもなります。
そして美肌にも効果的ですよ。
 

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お酢のつくりかた

原材料の白米または玄米を蒸し、そこに麹菌と水を加えてアルコール発酵をさせます。
そして酢酸をつくり出す酢酸菌(種酢)を加えて、さらに酢酸発酵を行いますが、酢酸発酵には酸素が必要なので、たまに空気に触れさせます。

米麹が作り出した酵素が、米のデンプンを糖に変え、その糖を酵母菌(イースト)がアルコールと二酸化炭素に変えます

また、米に含まれているタンパク質も酵素によってアミノ酸に分解されます。
このアミノ酸が、酢に旨味を与えてくれます。

40度に保った中で熟成させ、早ければ90日ほど、長いものだと数年寝かせることもあります。
長い年月を寝かせた酢は濃厚で非常に芳醇な味わいを得ることができるのだそう。

酢の上手なとり方

身体によいからといってたくさん摂る必要はなく、健康維持のためには、1日大さじ1〜2杯ほどで構いません。

食事をつくるときに加えたり、できた料理にかけたりしましょう。
煮物などに入れるとコクが出るのでおすすめです。
また、お肉を使った場合はさっぱりとした仕上がりになります。

ドリンクで摂り入れる場合は特に空腹時だと胃を痛めるので、食事中や食後にとりましょう。
お酢は5〜10倍を目安に薄めて飲みます。
飲むなら黒酢や果実酢、もろみ酢がおすすめです。

また、好みのフルーツでオリジナルのビネガードリンクをつくることもできます。
煮沸消毒した密閉できる容器に、酢と砂糖(1:7)、カットしたフルーツを入れ、冷蔵庫で3日程度漬け込むだけででできちゃいます。
甘さが足りない時はちみつなどを入れると、ビタミンやミネラルも摂取することができます。
 

 

なんだかすごいお酢の効果。
いつもより長くなってしまいました。笑

「酸っぱいのは苦手〜」、という方もいらっしゃるかと思いますが、夏はドリンクとして摂りやすいと思いますので、チャレンジしてみてください。

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